SARS いかに世界的流行を止められたか
財団法人結核予防会が2007.12に邦訳刊行。著者名:WHO西太平洋地域事務局、監修:押谷仁、訳:遠藤昌一、笠松美恵。図書館などには置いてあるようだが、一般には販売されていない。原著は2006刊行。
第1部 全体の展望
詳細な年表を含む。
第2部 各国・地域の概要
中国、香港、ベトナム、シンガポール、台湾、フィリピン、モンゴル、カナダ
第3部 アウトブレイク
スーパースプレッダーなどがどのようにして感染者を拡げていったかの詳細な考察。地図など具体的な資料も多い。
第4部 SARSの科学
臨床像、疫学など
第5部 将来
これはぜひとも手元に置いておきたい資料。
しかしそれ以上に、第5部の「SARSから何を学んだか」という章が胸に迫る。うまくいった点、うまくいかなかった点、それらがレビューされており、未来に向けての提言がある。
メディアはおおむね協力的であったという指摘や、メールやインターネットなど最新の情報通信が役立った(一方では風評ももたらしたが)という記述は興味深い。そしてその際、信頼できる情報をいかに集めて早期報告するか。国の疾病サーベイランスシステムが破壊状態にあるときのWHOの取り組みがどのようなものであり、何を目指すものなのか、本書でその一端に触れた気がする。
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