安全。でも、安心できない…—信頼をめぐる心理学 (ちくま新書)
本書のスタンスは、安全を信頼すると安心する、というもの。うーん、そうかも。いままでは安全=信頼×安心だと思っていた。
でもおもしろかった。リスクマネージメントでは、リスク管理に携わる人を人々が信頼することが大切だが、この分析が興味深い。これまでは「専門性の高い人」「意欲のある人」が信頼されやすいといわれていたが、実はこれはその事柄に対してさほど興味がない人にしかあてはまらない。その事柄に対して関心が高い人は、相手が自分と同じ意見かどうかで信頼性を判断しているという。自分はこんなに考えているんだから、専門家も同じことを考えるはずだというバイアスがかかるんだろうか。しかしこれ、いわれてみると、なるほどと思う。特定のコミュニティの中では、コミュニティ外の人を評価するとき、その人が誠実・専門的・意欲的かどうかより、自分と意見が同じかどうかで判断しているケースはあるよね。
著者の回答は、ならば「リスク管理者は顔を見せよう」というもの。人は感情に流されるので、それを逆手にとろうという戦略か。
なお伝統的解釈と、上述した新解釈のどちらが正しいかはまだ議論があるそう。状況によっても違うかもしれない。
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