フタバスズキリュウ発掘物語—八〇〇〇万年の時を経て甦ったクビナガリュウ (DOJIN選書 14)
→朝日新聞2008.5.25「発掘から命名まで 38年のロマンが」
「日本に化石ブームを起こし、映画『ドラえもん のび太の恐竜』のピー助としても知られるフタバスズキリュウ 発掘から骨格の復元、種の同定までの軌跡」
と帯にあるのに、書評で述べたとおり、本文中では一回も『のび太の恐竜』へ言及はない。ドラえもんのおかげで日本では知らない子どもがいないフタバスズキリュウだが、これまではほとんど関連本がなかったので、これがようやく出た決定版解説書といえる。
『のび太の恐竜』への言及がないのは、書評でも述べておいたとおり、実際の研究結果が炙り出したフタバスズキリュウの生態が、藤子・F・不二雄先生の描いたピー助とはまったく違うものだから。
まずフタバスズキリュウは胎生の可能性が高く、卵では生まれていなかったかもしれない。だからのび太が卵を発見することはなさそうだ。またフタバスズキリュウは陸に上がれなかった可能性が高い。のび太の部屋で遊んだり、ましてや白亜紀のアメリカ大陸を横断したりなんてことは無理だろう。そもそも首長竜は恐竜のグループでさえない。つまり『のび太の恐竜』は、タイトルから何から完璧に間違っているというわけ。
それでも『のび太の恐竜』は傑作であり、多くの子供たちに恐竜へのロマンを与え、科学の発展に寄与した。藤子・F先生はむしろ『のび太の恐竜』をドラえもん版『野生のエルザ』として描いた。








































