「タカラ」の山—老舗玩具メーカー復活の軌跡
著者の竹森健太郎は、森健氏の別名義。
玩具メーカー「タカラ」は佐藤安太によって創業され、1960年にはだっこちゃんが大ヒット。1967年にはリカちゃんが当たり、総合玩具メーカーへ。しかし長男の佐藤博久が二代目社長となり、システマティックな経営を目指し始めてから業績は悪化。安太が返り咲き、続いて次男の佐藤慶太が社長に就任して、タカラは復活を遂げる。本書はタカラの主要社員にインタビューしてその復活の軌跡を追っている。
登場するのは10人。ロボット好きの私には、バウリンガルやアクアロイドの開発者のインタビューが読めたのが貴重。ライティング方法としては、それぞれの時代をひとりの社員に代表させていることが特徴。例えばAというプロジェクトにはおもちゃを開発する人や営業戦略を決める人などたくさんの人が関わっているはずで、本書に登場する人もそういった複数のプロジェクトに関与しているはずだが、時代に合わないプロジェクトの発言はばっさりカットされている。なかなか思い切りがよい。
一方、辞任していった二代目社長はいまどうなったのだろう、と思いを巡らせたりもした。アクアロイドにしても商業的には失敗だったはず。誰もが成功者になれるわけではないね。
しかしどういう経緯で朝日新聞社からこんな本が出たのだろう。著者は朝日からもう一冊、ダイエー復活を扱った同様のインタビュー本を出している。
タカラのウェブサイトを覗いてみた。
「マ・メール」がちょっと面白そう。でも『水の伝言』あたりに過剰な拒否反応を示す人だと、「植物がメッセージを伝えるだなんて擬人化は許せん!」なんて思ってしまうかもね。場合によっては文字が刻まれているのを残酷だと思うかもしれない。植物は人間の意図とは無関係に生きてます。
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